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建物の呼吸を確保して、生きている家をつくる

生きている材料を生かして使ってこそ、建物そのものが健康になり、住んでいる家族も健康に活き活きと暮らせる。そんな家づくりをしたい。


生きている材料を生かして使う。それは簡単で単純なことだ。

生きているものは呼吸が必要だ。

呼吸とは、空気を吸ったり吐いたりすること。

それも新鮮な空気がいい。

無垢の木や板、添加物を含まない漆喰など自然素材を呼吸できるようにする。

そのためには、空気にふれさせて使う事だ。


それも淀んでいない空気、流れている空気に囲まれて、使う事が理想だ。


無垢の土台や柱、梁や桁などの構造材を、いつも流れる空気にふれさせる。

床や壁・天井の無垢の板や漆喰、エコクロスにも流れる空気がふれている。

こうした状態になる、家の建て方や間取りそして生活の仕方がポイントだ。


具体的な方法を、簡単に見てみよう。

土台や柱・梁などの構造材は、どこにあるか。


土台は床下空間にある。

柱は壁の中だ。

そして梁や桁は、天井裏である小屋空間や一階と二階の間、すなわち、ふところ空間にある。

間柱や筋交いそして大引きや根太・垂木など他の構造材も皆、この空間にある。

この床下空間、壁内空間、一階二階のふところ空間、小屋空間をすべて合わせて、躯体内空間という。

この躯体内空間に常時、空気が流れていれば、住宅を支えるすべての構造材には、いつも流れる空気がふれていることになる。


一方、床や壁、天井は室内空間を構成する材料であるが、それぞれの裏面を見ると、全て、この躯体内空間に面している。

すなわち、裏面は、いつも流れる空気にふれていることになる。

そして、これらの表面は室内側である。

室内全体に穏やかな風の流れがあれば、表面もいつも流れる空気にふれているわけである。

そのためには、風の流れを妨げない、中廊下で分断されない間取りが望ましい。

いわゆる広がり空間の間取りである。

整理すると、建物の見えない部分である躯体内空間と、見える部分である室内空間に、いつも穏やかに風が流れていればいい。

風が流れるようにすることは、さほど難しいことではない。
しかし、この風の流れによって、冬期間は寒くなってしまったり、夏期間に暑くなってしまったりしては、とても住み心地が悪くなってしまう。


住み心地を良くするためには、冬は暖かい空気が流れ、夏は涼しい空気が流れればいい。

こうした考え方をパッシブソーラーとして現実的に可能としたのが、PAC住宅だ。

PACとは、パッシブassive ・ エアir ・ サイクルycleの頭文字をとったもの。

1977年にスタート、十分に実績を積み上げているシステムである。

建物そのものが、四季を通じて、常に呼吸している家だ。

いつも呼吸をしている生きた家である


その具体的な内容は徐々にふれていこう。

2013.10.4  田中慶明




    下記は項目ごとの目次です。

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