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生きている家に活き活きと暮らす

 

現在の住宅は、対処的手法で行き当たりばったり的に積み上げられてきたと指摘した。

では、そうならないためには、どう考えたらいいのだろうか。

全体的に総合的に矛盾を孕まないで、地震に火事に防犯にも強く、長く住みつがれ、住まい心地もよく、家族も仲よくなるような、そんなホリスティックな健康住宅は可能なのだろうか。

あちらを立てれば、こちらが立たず。

冬向きにすれば夏はつらい。地震に強くしたら湿気には弱くなった。プライバシーを重視したら家族がばらばらになった。

何かと両立は難しい。しかも住宅の場合は、いろいろな要素を矛盾なく成り立たせなければならない。

しかし現実はなかなか大変だ。何かを強調すれば必ずその反動がでる。その反動に対処するために、場当たり的に対処的手法を積み上げてきたのが、今の家づくりの実態だ。

機械に頼りすぎの住まい、ケミカルや農薬を深慮しないで使う建材や材料、住まい手の生活の工夫を省こうとする文化など、どれ一つとらえても、その場しのぎの場当たり的だ。

健康な建物に、健康に住まう。そんな当たり前のことが失われている。

死にそうな建物に、機械で息を吹き込み、薬で支えている。

そんな不自然な建物に暮らして、家族が心底、健康でいられるわけがない。

 

生きている家に、活き活きと暮らしたい。

至極当然の要求だと思うが、今の多くの家づくりを見ていると不可能なことに思えてしまう。

でもそんなことはない。

家づくりの本来の筋をきちっと通していけば、難しいことではない。すぐに機械に頼り、薬に頼ろうとする、現代の弱々しい文化から、少しだけ離れれば可能だ。

 

生きている材料を使う。生きている材料を殺さない。

この二つを前提に家づくりの方法を、妥協せずに組み立てていけば、そんなに難しいことではない。

私たちは、それを「流れる空気にふれさせる」という一本の筋を妥協せずに通してPAC住宅という形につくりあげてきた。

スタートは1977年のことだ。すでに36年、内容も随分と高まりデザインも洗練されてきた。

自然な雰囲気。自然な暖かさ。自然な涼しさ。自然な爽やか。自然な風通し。自然で優しい光。

自然に振舞える。自然な家族のふれあいがある。自然な会話がある。自然で優しい。自然で穏やか。波風も自然、治まるのも自然。

そして省エネで腐らない。長く使える。地震にも強い。火事にも強い。

 

そうしたことが可能なのだ。

生きている材料を、殺さないように使うという事を、大原則にしていけば。

次のその点を述べてみたい。

 

2013.9.27  田中慶明




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