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PAC工法(構造・機能・システム部材・かくれん房)について



·         PAC住宅の仕組みを簡単に説明してください。

·         PAC住宅は、外断熱(外張り断熱)ですか。

·         通気層は、どこにつくるのですか、その役割は。

·         躯体内空間とはどこのことですか

·         見えない風通しとは?躯体内空間と関連しているのですか。

·         夏と冬、空気の流れを変えるのですか。

·         どのように季節に応じて空気の流れを変えるのですか?また、そのために機械設備を使う のですか

·         夏の空気の流れはどのように発生するのですか。

·         PACスーパー越屋根換気口の役割と機能は。

·         PAC床下換気口の役割と機能は。

·         冬の空気循環はどのように起こるのですか。

·         断熱型エアダンパー、断熱型ルーフダンパーの役割と機能は。

·         床・壁・天井の下地にどうして、調湿機能のある石膏ボードを使うのですか。

·         PAC住宅に使われる断熱ボードは何ですか。

·         室内換気は自然換気と言っていますが

·         PAC住宅専用低温輻射暖房である「かくれん房」とは。

 


PAC住宅の仕組みを簡単に説明してください。

PAC住宅は、在来軸組工法をベースにしたパッシブソーラーです。パッシブソーラーは、冬は太陽熱、夏は夜間の冷気などを、建物そのものを利用して「集熱-熱分配-蓄熱-放熱」の熱サイクルで省エネルギーを図るシステムです。PAC工法は空気の流れを利用して、集熱は屋根と壁の集熱通気層及び開口部で、熱分配は内壁空洞などの躯体内空間で、蓄熱は基礎や土間のコンクリート及び天井・壁・床下地に使用される12.5mm厚の調湿石膏ボードなど、放熱は床面・壁面・天井面で行います。空気の流れそのものは機械設備を使わずに、温度差や風力を利用して発生させます。


PAC住宅は、外断熱(外張り断熱)ですか。

外張り断熱の家です。外断熱は正式にはコンクリートの建物に使用される用語です。PAC住宅は木造住宅ですから、外張り断熱が正しい用語となります。
PAC住宅は1977年から、外張り断熱を実施しています。その当時は、外断熱や外張り断熱という用語は存在していませんでしたし、実際にそうした断熱施工の方法もありませんでした。躯体内空間に空気を流し建物を腐りから守るという目的で、独自に開発されたものです。以来、5,000棟以上の実績に裏打ちされた完成度の高いPACオリジナルの断熱方法として定着しています。


通気層は、どこにつくるのですか、その役割は。

PAC住宅の通気層は、太陽熱を利用するためのもので集熱通気層と呼んでいます。普通の通気層は、断熱材の湿気を抜く対策としてつくられ、通気層の下部と上部で外気とつながっていて外気が流れるようになっていますが、PAC住宅の集熱通気層は外気とはつながっていません。集熱通気層の上下でそれぞれ建物内部につながっています。
集熱通気層は外張り断熱された屋根と壁の断熱材と仕上げ材の間に厚さ20mm程度で設けられます。集熱通気層は、建物内部の空気を暖める役割を果たすため、暖かい上昇気流だけを通す工夫と、冬と夏に建物内の空気の流れを変えて、冬は暖かい空気を建物全体に循環し、夏は夜間の外冷気を建物全体に取り入ることを、自然の空気の流れで行う衣替えのできる家として工夫がされています。


躯体内空間とはどこのことですか。


躯体とは構造体のことです。PAC住宅は木造住宅ですから、土台・柱・桁・梁・大引き・根太・間柱・筋交い・火打ち・母屋・垂木などでくみ上げられた軸組を示します。イメージとしては上棟した時の姿です。躯体内空間は住宅が完成した時、この軸組にからめて結果としてつくられる空間で、具体的には、「床下空間-内壁空洞 - 一二階のふところ空間 - 小屋空間」のことで、PAC住宅の場合は、この全ての空間が空気が流れるように連通しています。普通の住宅では連通はしていません。


見えない風通しとは?躯体内空間と関連しているのですか。


「見えない空間の風通し」の意味で、見えない空間とは躯体内空間のことです。躯体内空間の構造的特徴は、主に2つあります。1つは、この躯体内空間に、全ての構造材(土台・柱・梁など)が存在していること。2つに、居室を包んでいること、すなわち、室内の天井面や壁面そして床面と裏から接していることです。
この2つの特徴はとても重要な意味をもちます。
1つは、構造材を腐らせないための役割を果たすことができます。昔から、木材を腐らせない大原則として、木材を「流れる空気にふれさせる」ことと言われてきました。この大原則をまさに文字通り実施したのがPAC住宅です。一年中、この構造材がある躯体内空間に空気を流したのです。それが見えない風通しです。
次に、躯体内空間は室内をぐるりと囲っているのですから、ここに、冬ならば暖かい空気、夏ならば涼しい空気を流すことで、室内の温度コントロールが可能になりますし、湿気の調整もできることになります。これを上手に利用したのがPAC住宅です。


夏と冬、空気の流れを変えるのですか。

躯体内空間の空気の流れを変えます。夏は夏向きの空気の流れを、冬は冬向きの流れを、という考え方です。躯体内空間は部屋をぐるりと囲っている空間ですから、この空間の温湿度を調整すれば結果として部屋の温湿度をコントロールできますし、さらに、躯体内空間は建物内全ての部屋を囲っていますから、建物全体を温度差の少ない環境にすることができます。


どのように季節に応じて空気の流れを変えるのですか?
また、そのために機械設備を使うのですか?


PAC住宅は、機械設備を一切使用しないパッシブソーラーです。
躯体内空間の一番上部の空間が小屋空間(天井裏)です。この小屋空間の最上部に外気と連通するPACスーパー越屋根換気口を、一番下部の床下空間の布基礎コンクリートにやはり外気と連通するPAC床下換気口を設置します。どちらの換気口も開閉可能です。夏は、開放して外気が躯体内空間を流れるようにし、冬は閉じて、躯体内空間に空気循環を発生させます。この冬の空気の流れの様子から「エアサイクル住宅」という名前が生れました。


夏の空気の流れはどのように発生するのですか。


PACスーパー越屋根換気口とPAC床下換気口を開いて躯体内空間を外気と連通します。外気は、PAC床下換気口から床下空間に入り、内壁空洞を上昇し、1・2階のふところ空間を通り、小屋空間を介してPACスーパー越屋根換気口から再び外へと流れていきます。
躯体内垂直換気といいますが、垂直な換気は2つの要因で生じます。
1つは温度差。2つは風力です。無風状態の時は、一つ目の温度差による換気が発生します。空気は暖められると軽くなり上昇していきます。まさしくこの原理により躯体内垂直換気が生じています。
もっと大きいのが風力換気です。PACスーパー越屋根換気口を吹き抜ける風とPAC床下換気口に吹きつける風とを利用して、躯体内垂直換気を発生させます。


PACスーパー越屋根換気口の役割と機能は。


PACスーパー越屋根換気口を吹き抜ける風は、負圧を生じさせます。負圧は引き抜き圧力ですから、PACスーパー越屋根換気口を通じて、小屋空間の空気をどんどん引き抜きます。その結果、躯体内垂直換気を促進します。
また、PACスーパー越屋根換気口は東西南北あるいは上から下から、どんな方向から風が吹いても、負圧が発生するよう設計の工夫がされています。もちろん、暴風雨の時も、雨の浸入などはありません。(建材試験センターでテスト済)


PAC床下換気口の役割と機能は。

PAC床下換気口は、外から風が入り、床下空間の空気は引き抜かれない工夫がされています。PAC床下換気口に吹き付ける正圧の風は受け入れ、引き抜きとして働く負圧の風はシャットアウトするように、一方向弁(逆止弁)が付いています。その結果、PAC床下換気口からは、風が吹き込むだけで出てはいきませんから、風の圧力を上向き方向、すなわち内壁空洞に向けますから、躯体内垂直換気を促進します。


冬の空気循環はどのように起こるのですか。


屋根面と壁面の集熱通気層では、太陽熱の影響で上昇気流が発生し、それぞれの集熱通気層の下部から建物内の空気を吸引し、通気層内で暖め、再び、それぞれの集熱通気層上部から、建物内に暖かい空気として戻します。
同時に躯体内空間では、温度差などにより内壁空洞は、空気が上昇する所と下降する所ができ躯体内空間に空気循環(エアサイクル)の流れが生じます、集熱通気層での吸引力はこの循環力を加速させます。


断熱型エアダンパー、断熱型ルーフダンパーの役割と機能は。


断熱型エアダンパーは壁の集熱通気層下部に、断熱型ルーフダンパーは屋根の集熱通気層の下部に取り付けられます。それぞれの役割は、夜間等集熱通気層が冷えて通気層内部の空気が冷やされ下降気流となって建物内部に逆流することを防ぎます。
PAC住宅の屋根面と壁面は、集熱コレクターの役割をしています。太陽熱で暖められた上昇する気流は許容し、夜間などに冷やされて下降する気流をストップする役割を担っています。通気層内に発生する空気のわずかな圧力差で作動する逆止弁がセットされています。
素材は軽くて断熱性のあるカーボン入り発泡スチレン(紫外線に強い材料)です。開発以来約30年、5世代製品で安定した機能を発揮しています。(熊本大学で耐久試験済)
集熱空気層から暖かい空気が入る部位には、断熱型空気取入口がセットされます。


床・壁・天井の下地にどうして、調湿機能のある石膏ボードを使うのですか。

住まいの健康性・快適性は温度の要素だけではありません。温度以外に湿度の要素が相当に大きく関わってきます。湿度の高い日本の気候風土においては、湿気対策が欠かせません。
PAC住宅は温度と同時に湿気の管理を建築的手法で行うものです。PAC住宅で使用される材料の基本コンセプトは湿気の調整ができること、すなわち湿気を吸ったりはいたりできる調湿性があることが大原則になっています。そのために、無垢の木材や漆喰などにこだわるのですが、下地材も例外ではありません。床下地には、無垢の杉板とその上に防音も兼ねて石膏ボードを敷いていますが、この石膏ボードにも杉板並みの調湿機能のあるものを採用しています。そのことにより、室内空間ばかりでなく躯体内空間の調湿向上に役立てています。


PAC住宅に使われる断熱ボードは何ですか。

キューワンボード(高性能硬質発泡ウレタンフォーム断熱材・熱伝導率0.021w/m・k)です。選択理由は、外張り断熱に向いている、隙間のない施工ができる、建築中の雨に強い、断熱性能が落ちにくい等という観点からです。
断熱ボードの厚さは省エネ対策等級4レベルを基準としています。断熱地域区分やボードの種類によって差があります。


室内換気は自然換気と言っていますが。

室内自然換気です。ただし現在は機械換気が義務付けられていますので、確認申請は第三種機械換気で申請しています。第三種は、給気は自然給気口で排気は機械でするシステムです。排気の機械も洗面や浴室、トイレなどの換気扇と兼用できます。PAC住宅では機械換気義務付け以前から、自然換気システムを採用していますから、もともと自然給気口はバランスよく設置されています。それに風力利用の自然排気口がセットされていますし、当然、トイレや洗面などには換気扇はありますから、義務付け以降も、実際上の仕様変更は一切ありませんでした。確認申請の方法が少し変化しただけということになりました。
ちなみに第一種は給排気とも機械でかなり大掛かり、第二種は給気が機械、排気は自然というシステムです。


PAC住宅専用低温輻射暖房である「かくれん房」とは


かくれん房は、PAC住宅において全ての床面・壁面・天井面を均一に暖める、低温輻射暖房システムです。PAC住宅の躯体内空間での空気循環(エアサイクル)システムを利用しています。
床下空間の土間コンクリート部分に温水の流れるパイプを埋設する、床下空間に放熱器を置く、床下エアコンなどの手法で、床下空間から暖め空気循環(エアサイクル)に載せて建物全体を暖めていきます。結果として、全ての床面・壁面・天井面がほぼ均一に暖められる低温輻射暖房システムです。
床面などの温度の目安は20度程度です。イニシャルコスト、ランニングコストも適切な健康暖房システムです。

 



 
田中慶明by 田中慶明 Yoshiaki Tanaka tanaka@pppac.com