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住宅デザイン 三つのアプローチ

住宅のデザインには主に三つの方向性があります。

1. 伝統的な方式で建物のスタイルからする様式デザイン。

2. 生活・暮らしからデザインするスタイル。

3. 土地の制約からデザインをすすめる方法。

もちろん現実的には、厳密に区分されているわけではなく、これらがミックスされたり変化されたりしているわけですが、住宅を外観から判断するとき、この三つの方向性を頭に入れておくと、見かけに振り回されずにきちっとした判断ができると思います。

 動画 住宅デザイン3つのアプローチ  3分45秒

1. 様式デザイン

日本の伝統的建物、例えば数寄屋とか民家、町屋などや、ヨーロッパやアメリカの伝統様式にのっとってデザインしていくスタイルです。また、ライトなど有名建築家のスタイルを踏襲していく方式も多くみられます。

それぞれにデザインの型があり、それはその地域の気候風土、生活習慣などから積み上げられてきたものとも言えます。伝統文化でもありいづれも美しい建物です。

最近の住宅事情に当てはめて言いますと。この建物の美しさ、特に外観デザインの美しさを武器にと考えているのでしょうか、世界の建物様式を日本にと、輸入住宅が展開されています。

同時に、外観のデザインは多くのユーザーを魅了すると、住宅展示場のモデルハウスや、建売住宅などでも、その考え方を採りいれて、モデルごとにデザインスタイルを決め名前をつけて販売したり、建売住宅でも部分的に海外の様式を採りいれたり、あるいは、デザイナーブランドと称したり、見かけのきれいさを訴えていく手法が盛んに展開されています。

外観デザインが美しいことは大変に素晴らしいことですが、毎日暮らす住まいなのですから、同時に考えていかなければならないことがあります。

伝統的建築様式は、その国の気候風土、生活スタイルから成り立ってきたものなのですから、海外の様式がそのまま日本の気候風土に適合するわけはありませんし、まして家族の生活スタイルも大きく違うのですから、見かけの美しさにあこがれているだけでは後悔という結末を迎えるのではないでしょうか。

また、外観デザインを美しくすることと、それぞれの家族が生活しやすくデザインすることが、必ずしもピタッと一致するとは限りません。外観デザインのために、生活に不自由さを強いられるかもしれませんし、風通しや日当たりも悪くなることもあります。

外観デザイン優先、見かけの美しさを第一優先にしていくことは、結果として生活の多くを我慢してということが多くなるかもしれません。

 

また海外に限らず日本においても伝統建築の多くは、大きな建物が前提になっていますから、最近の敷地面積が大きくとれない、建物そのものも小ぶりである現代の住宅に、そのまま当てはまるものではありません。どうしても矮小化された感じになりがちで、美しいつもりが実は逆というケースもありえます。

 

しかし外観デザインを決めて、その枠組みの中で、生活のデザインつまり間取りを上手につくれれば、これも魅力的な設計スタイルになりえます。

 

 

2. 生活をデザインする。

これが住宅設計の王道だと思います

建物は暮らしの器です。家族のあり方、暮らしぶりによって空間構成は変わってきますし、家づくりに対する思い、感覚や感性によって好みのデザイン、美しさに対する見方も大きく違ってきます。

毎日の暮らしを健康に心豊かに暮らしていける器として間取りを平面的にも立体的にもつくりあげていきます。

家族の生活、家族構成などこれからの変化、趣味、感性などを大切にして、風通しがいいか、太陽の光が隅々まで届くか、地震に強いか、壁の中の空気の流れはいいか、などを踏まえて間取りをつくっていきます。

外観デザインも同時には考えていきますが、設計の優先順位は内部の暮らしに置くという設計手法です。

PAC住宅は、これまではこの手法を多く手掛けてきました。

もちろん外観デザインをおおむね決定して、その中にこの手法で設計をすすめる方法もありますが、多少は外観デザインからの制約もありえます。

 

 

3. 土地の制約からデザインをすすめる。

これは都市部の比較的小さな土地に当てはめる設計手法です。

建蔽率、容積率、斜線制限などの法的規制からその土地に建てられる建物の外観ボリュームが必然的に決まってきます。

そのボリュームを立体的に出してから、そのボリュームの中で間取りや外観デザインをつくっていくという手法です。

小さな土地を最大限に生かしていく方法です。



 動画 住宅デザイン3つのアプローチ  3分45秒